北野の仕事
MAO RINK TACHIKAWA TACHIHI

2つのアイスリンクが収まる空間を大スパンアーチ鉄骨で実現
「MAO RINK PROJECT」と名付けられたアイススケートリンクの建設計画。プロフィギュアスケーターである浅田真央さんの監修のもと、世界大会やオリンピックで使われる国際規格のスケートリンクと観客席、そしてトレーニング施設やレストランも計画に加えられた。立川立飛エリアの街づくりも担う新しいかたちのスポーツ施設は、工程を見据えた準備と、緻密なスケジュール管理によって建設が進められた。
徹底した工程管理と培ってきたノウハウで工期を圧縮

立飛ホールディングス様の周年事業として、工期の延長ができない状況で施工が始まった。最初の掘削工事では、以前にあった建物の配管などによる地中障害が発生。他の工事と並行しながら撤去するなど、工程が遅れないように管理を徹底した。また、基礎を作るための根伐りでは埋め戻しの工程を省くために鋼製型枠を使い、揚重機(クレーン)用の地盤を構造体改良と同時に行うなど、さらなる工期の短縮を図った。
鉄骨大スパンの屋根構造

国際規格に適応した30m×60m のメインリンクを納めるために、約55m にも及ぶ大スパンの鉄骨工事となった。そのため、建て方やその後の工程に影響がでないよう、今回は鉄骨で組んだ移動式支保工足場を採用。倉庫の施工で用いた経験をいかし、鉄骨建方の後にもこの足場を天井の施工に活用したことで、これも工程の短縮につながった。
外構工事や搬入出ルートの設定

敷地内の南側には樹齢70年と推定される桜並木の緑地があり、樹木医のアドバイスに従って整備を進行。工期中は緑地への立ち入りを制限することで、外構工事や搬入出ルートに制約がでたが、揚重機を2機に分け、工期によって効率的な搬入出ルートを綿密に計画した。これらを先読みして早々に取り組んだことが、後々の工程遵守にもいかされた。

北野の答え 多様な経験に裏打ちされた、「先見力」を駆使する
毎週のように行う定例会議では、施主やアドバイザーの意見が必要なところを把握し、早めに確認しながら調整をくり返した。立飛ホールディングス様や山下設計様にも積極的に打ち合わせにご参加をいただき、100周年という節目に合わせて、無事に開業を迎えることができた。