東京都心に建つ個人住宅です。正面が北面のため、窓はペアガラスとしています。ペアガラスの製造限界寸法幅である2.5mを横方向に使いながらも、1枚ガラスの印象が損なわれないよう、方立にはステンレスのH形鋼を用いてできるだけ細く納めています。
2階の玄関へ上がる階段です。ドアの脇には大きな1枚ガラスを嵌め込んでいます。
2階の広間です。1階から2階の天井まで横断するスリット回りに、いくつもの異なる素材が取り合ってくる設計のため、逃げを取れる箇所がほとんどなく、高い施工精度が要求されました。
スリットのガラスはトップライトへと繋がっていきます。トップライト部は空気層の厚さが12mmの複層ガラスとしています。
ドアは枠を設けず、扉がスリットのガラスに接する設計のため、扉の上端と下端にピボットヒンジを取り付け、上下軸を支点に開閉するようにしています。
1階と2階を繋ぐ階段です。半楕円形の回転部の踏板はかたちが1枚1枚異なるため、慎重に位置を合わせ、削って微調整をしながら納めました。

所在地：東京都　用途：個人住宅
設計監理：鈴木了二建築計画事務所　構造：鉄筋コンクリート造
規模：地上2階　延床面積：557.7㎡　竣工年：2000年